建設業・不動産業が多い脱税事案の告発 〜令和元年度 査察調査事績
 国税庁がまとめた令和元年度(H31.4〜R2.3)の査察調査事績によると、脱税で検察庁に告発した事案を業種別にみますと、建設業と不動産業が最も多いことがわかりました。
 同年度では査察調査を150件着手しています。脱税事案に対する刑事責任の追及を行うため検察庁への告発の可否を最終的に判断した「処理」の件数は165件で、このうち、検察庁に告発した事案は116件にのぼります。
 処理事案に係る脱税総額(加算税含みます)は119億8,500万円で、うち告発分は92億7,600万円でした。
 告発の多かった業種(同一の納税者が複数税目で告発されている場合は、1者としてカウントしています)は、最も多かったのが「建設業」と「不動産業」でともに19者。この2業種は平成27年度以降5年連続でワースト1・2位に必ず名を連ねる脱税の常連業種となっています。この他、「人材派遣」が10者、「下水道管調査」が5者でした。
 告発を行った査察事件の一審判決の状況では、令和元年度中は124件に判決が言い渡され全てが有罪判決。そのうち、特に悪質な脱税者であるとして5人に実刑判決が出ています。