2年分路線価は全国平均で5年連続の上昇
 国税庁は、相続税や贈与税の算定基準となる令和2年分の路線価図等を公開しましたが、全国約32万6千地点を対象とした今年1月1日時点の標準宅地の対前年の変動率は、全国平均で1.6%プラスとなり、5年連続の上昇となりました。
 都道府県庁所在都市における最高路線価の対前年変動率では38都市で上昇し、中でも那覇(上昇率40.8%)、大阪(同35.0%)、横浜(同34.5%)、奈良(同21.2%)は、交通利便性等に優れた地域を中心に住宅の需要拡大、オフィス市場の活況、観光客増加による店舗・ホテル需要の高まりや再開発等が進展したことによる需要が堅調だったことなどを背景に大幅な上昇となっています。一方、下落は水戸の1都市のみで下落率は2.2%でした。
 1u当たりの最高路線価は東京・銀座5丁目「鳩居堂前」で、前年の4,560万円から4,592万円に上昇して昭和61年分以降35年連続で全国一となるとともに、4年連続で過去最高額を更新しています。以下、2位が大阪「北区角田町 御堂筋」の2,160万円、3位が横浜「西区南幸1丁目 横浜駅西口バスターミナル前通り」の1,560万円でした。
ちなみに、鳩居堂前の地価は、1万円札1枚のサイズで約55万円、はがき1枚では約68 万円にのぼります。
 なお、今回の路線価については、新型コロナウイルスによる経済変化の影響を加味していないことから、国税庁では、今秋公表される国土交通省の「都道府県地価調査」等において広範な地域で大幅な下落が確認された場合には、路線価等に対する補正率を定めるなどの措置を講じることを検討しているようです。