相互協議の発生件数は2年連続減少の185件

 国税庁の令和2事務年度相互協議の状況によると、今年6月までに納税者からの相互協議の申立て又は相手国税務当局から相互協議の申入れがあった新規発生件数は185件と2年連続で減少しており、事案の種別ではこのうちの約8割にあたる146件が「事前確認に係るもの」で、残りの39件が「移転価格課税やその他に係るもの」となっています。

 一方、相互協議事案の発生を受けて相手国税務当局の合意や納税者による相互協議の申立ての取下げ等により相互協議を終了した件数は、前年からの継続分を含め事前確認に係るもの122件、移転価格課税その他に係るもの33件を合わせた155件でした。

 協議に当たっては、新型コロナウイルス感染症に伴い対面協議が行えない中で電話会議による協議を増やした処理が行われています。また、1件当たりに要した平均処理期間は30.3か月と前年に比べ約1か月程度長くなっており、事前確認に係る事案は29.2か月、移転価格課税その他に係る事案は34.4か月でした。

 この結果、2事務年度末の繰越件数は、処理件数が発生件数を下回っているため572件に増えています。