所得税の実地調査減少も富裕層や無申告者の多額の申告漏れ把握

 国税庁がこのほどまとめた「令和2事務年度における所得税及び消費税調査等の状況」によると、前事務年度に続き新型コロナの影響で実地調査件数が大幅に減少しましたが、富裕層や無申告者に対する調査では大きな成果を上げています。
 令和2事務年度(令2.7〜令3.6)に実施した所得税調査は、実地調査は前年より約3万5千件減の2万3,804件にとどまりましたが、文書等で申告漏れの把握を効率的に行う「簡易な接触」を組み合わせ調査等合計は前年より7万件増の50万2,298件となりました。これら調査の結果、27万9,295件に申告漏れ等の非違が認められ、申告漏れ所得金額は5,577億円でした。
 このうち、「富裕層」と「無申告者」の調査では、まず富裕層に対しては2,158件に調査を実施し、非違のあった1,843件から、1件当たりでは全体平均の1.5倍となる2,259万円の総額487億円の申告漏れ所得金額を把握。無申告者に対しては2,993件に調査を実施し、1件当たりでは全体平均の1.7倍となる2,566万円の申告漏れを把握しています。。