国外財産調書の総提出件数は1万1,331件で7年連続の増加

 国税庁はさきごろ令和2年分の国外財産調書の提出状況を明らかにしました。
 国外財産調書は、その年の12月31日において保有する国外財産の合計額が5千万円を超える居住者が、財産の種類・数量・価額など必要事項を記載した国外財産調書を翌年3月15日までに税務署長に提出するものです。

 提出状況によると、同年分の国外財産調書の総提出件数は1万1,331件(前年分1万652件)でその総財産額は4兆1,465 億円(同4兆2,554億円)となり、総件数は7年連続して増加しています。主な財産の種類別総額をみると、「有価証券」が2兆1,225億円で全体の半数を超えており、以下、「預貯金」7,208億円、「建物」4,523億円、「貸付金」2,010億円、「土地」1,467億円でした。

 制度では、適正な提出を確保して国外財産に係る情報を的確に把握するため、提出された調書に記載された国外財産に係る所得税・相続税の申告漏れが生じたときであっても加算税を軽減する軽減措置、調書の提出がない場合又は提出された調書に記載のない国外財産に係る所得税・相続税の申告漏れが生じたときには、加算税を加重する過重措置が設けられています。同年分では、軽減措置を受けた件数は126件(増差所得等金額43億3,960万円)、過重措置を受けたのは307件(増差所得等金額88億792万円)となっています。