法人の申告所得金額が85兆106億円と初めて80兆円超える

 国税庁の「令和4事務年度法人税等の申告(課税)事績」によると、今年6月30日現在の法人数は、前年より5.8万法人増加の334万1千法人で過去最高となっています。
 令和4年4月1日から5年3月31日までに終了した申告について、今年7月末までに行われた法人税の申告件数は312万8千件で、統計開始(昭和42年)以降で過去最高額を記録しました。また、その申告所得金額の総額は85兆106億円となり、初めて80兆円を超えています。要因としては、コロナ禍からの法人の業績回復が進み、特に卸売業や運送業、サービス業を中心に大きく回復して申告所得金額が増加したことにより、全体が押し上げられたためです。
 法人税の申告件数のうち黒字申告は113万1千件と5年連続して100万件を突破。黒字申告割合は36.2%と前年度比0.5ポイント上昇しました。黒字申告1件当たりの所得金額は前年度より約245万円増加の7,518万1千円と過去10年で最高額となり、赤字申告1件当たりの欠損金額は872万7千円と微増でした。
 これらの結果、法人税の申告税額は前年より9,867億円増え14兆9,099億円、地方法人税の申告税額は608億円増の1兆8,131億円といずれも増加しています。
 源泉所得税等の課税事績では、昨年7月から今年6月までに納付があった源泉所得税額(復興特別所得税含む)は21兆8,159億円で、前年度より1兆1,240億円増加して過去最高額を更新しました。主な所得では、「給与所得」が前年度より6,415億円増の12兆5,264億円となったのをはじめ、「配当所得」や「非居住者等所得」、「報酬料金等所得」などが増加した一方で、唯一「特定口座内保管上場株式等の譲渡所得等」が4,844億円と減少しています。