新型コロナの影響で令和2年度現金給与総額が8年振りに減少

 厚生労働省がこのほど公表した「毎月勤労統計調査」結果確報によると、令和2年度の1人当たりの現金給与総額(月平均)は、31万8,081円と前年度比1.5%減少したことがわかりました。就業形態別では、正社員が41万6,570円で1.9%、パート労働者が9万9,083円で0.9%それぞれ減っています。
 要因は、新型コロナウイルスによる休業や時短営業の影響により、新規雇用が減って解雇・離職が増えたためですが、現金給与総額が前年度を下回ったのは実に8年振りとなります。また、1年間のうち4月から6月にかけての支給額の落ち込みが目立ちます。
 給与総額の内訳をみると、基本給に当たる「所定内給与」が24万5,258円(前年度比0.2%増)で6年連続増加していますが、残業代などの「所定外給与」は1万7,028円(同13.3%減)で2年連続の減少となるとともに、下げ幅が拡大しています。また、ボーナスなどの特別に支払われた給与5万5,795円(同4.3%減)と2年連続で減少しています。
 なお、総実労働時間(月平均)は134.6時間(同3.0%減)とやはり減少しており、特に所定外労働時間は正社員で12.2時間(同13.7%減)、パート労働者で2時間(同21%減)と大幅に減っています。業態では、正社員、パート労働者ともに飲食サービスや生活関連サービスでの減少幅が大きくなっています。