「老老介護」が63.5%と過去最高に

 厚生労働省はこのほど、2022(令和4)年国民生活基礎調査結果を公表しました。 この調査は、保健、医療、福祉、年金、所得等国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画及び立案に必要な基礎資料を得ることを目的に昭和61年を初年として3年ごとに大規模な調査を実施し、中間の各年は簡易な調査を実施しており、令和4年は13回目の大規模調査が実施されました。

 令和4年6月2日現在における全国の世帯総数は5,431万世帯で、世帯構造をみると「単独世帯」が1,785.2万世帯(全世帯32.9%)で最も多く、「夫婦と未婚の子のみの世帯」1,402.2万世帯(同25.8%)、「夫婦のみの世帯」1,333万世帯(同24.5%)となっています。そして、世帯類型をみると、「高齢者世帯」は全世帯の31.2%を占める1,693.1万世帯)で、調査以来最高となっています。

 令和3年の1世帯当たり平均所得金額は、「全世帯」が545.7万円で、「高齢者世帯」が318.3万円、「高齢者世帯以外の世帯」が665万円、「児童のいる世帯」が785万円となっていて、その全てで前年に比べ3-4%程度減少しています。

 貯蓄の状況では、全世帯のうち「貯蓄がある」との回答は82.4%で、その1世帯当たり平均貯蓄額は1,368.3万円。一方、借入金の状況をみると、全世帯では、「借入金がある」は24.7%で、1世帯当たり平均借入金額は390.6万円となっています。

 生活意識別に世帯数の構成割合をみると、「苦しい」(「大変苦しい」と「やや苦しい」)との回答は51.3%となっています。特に、「母子世帯」で75.2%と4世帯のうち3世帯が、また「児童のいる世帯」では半数を超える54.7%が「苦しい」と回答しています。

 高齢化社会が進む中、介護保険法の要支援又は要介護と認定された者のうち、在宅の者(以下「要介護者等」といいます。)のいる世帯を世帯構造別にみると、「核家族世帯」が 42.1%で最も多く、次いで「単独世帯」が30.7%、「その他の世帯」が16.4%となっており、「単独世帯」及び「核家族世帯」の割合は上昇傾向にあり、「三世代世帯」の割合は低下しています。

 なお、「要介護者等」と「同居の主な介護者」について、年齢の組合せをみると「60歳以上同士」の割合は77.1%、「65歳以上同士」は63.5%、「75歳以上同士」は35.7%となり、介護者と被介護者がどちらも65歳以上の高齢者となっているいわゆる“老老介護"が6割を超え過去最高となっています。

 詳細は、https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/index.html