平均当初所得額423.4万円、平均再分配所得504.2万円〜令和3年所得再分配調査

 厚生労働省は8月22日、「令和3年所得再分配調査」の結果を公表しました。

 所得再分配調査は、社会保障制度における給付と負担、租税制度における負担が、所得の分配にどのような影響を与えているかを明らかにし、今後の施策立案の基礎資料を得ることを目的として昭和37年度以降、概ね3年ごとに実施しているものです。

 19回目となる今回の調査は、コロナ禍の影響により1年遅れて(前回調査は平成29年)令和3年7月8日から8月7日にかけて行われました(回答3,316世帯)。

 調査結果をみると、世帯間の所得格差を表すジニ係数(0から1までの値をとり、0に近いほど所得格差が小さく、1に近いほど所得格差が大きいことを示す)を世帯単位で見てみると、年金等の社会保障や税による再分配後の所得のジニ係数は0.381(前回0.372)となり、平成11年の調査以降0.38前後と横ばいで推移。再分配前の当初所得(税金、社会保険料を控除する前の所得)のジニ係数は0.570(前回0.559)となり、概ね上昇傾向にあるものの、平成26年調査以降0.57前後と横ばいで推移。再分配を行ったことにより33.1%格差が改善され、社会保障・税の再分配機能に一定の効果がある結果となりました。

 今回の調査における平均当初所得額(年額)は423.4万円(前回比1.4%減)、平均再分配所得は504.2万円(前回比0.9%増)でした。社会保障や税による所得再分配により、100万円未満及び1,000万円以上の所得階級の世帯の割合が減少し、100万円以上800万円未満の世帯の割合が増加しており、所得再分配後の世帯分布は当初所得の分布より中央に集中しています。