人口一人当たり国民医療費、最高は「高知県」、最低は「埼玉県」

 厚生労働省の令和3年度国民医療費の概況によると、同年度の国民医療費は45兆359億円で、前年度(42兆9,665億円)に比べ2兆694億円増加して、過去最高を更新しています。

 人口一人当たりの国民医療費では、35万8,800円で前年度の34万600円に比べ1万8,200円増えており、国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は8.18%(前年度7.99%)と8%台に上昇しました。

 年齢階級別に国民医療費をみると、年齢階級別では「0〜14歳」は2兆4,178億円(構成比5.4%)、「15〜44歳」は5兆3,725億円(同11.9%)、「45〜64歳」は9兆9,421億円(同22.1%)、「65歳以上」は27兆3,036億円(同60.6%)となっていて、65歳以上で6割を占めています。人口一人当たりは、「65歳未満」は19万8,600円、「65歳以上」が75万4,000円です。

 都道府県別に国民医療費をみると、人口一人当たり国民医療費は、「高知県」が47万1,300円と最も高く、次いで「鹿児島県」が44万400円、「長崎県」が43万3,500円の順となっている一方、最も低いのが「埼玉県」の31万8,100円で、次いで「千葉県」が32万600円、「滋賀県」が32万1,700円となっています。

 国民医療費は、その年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用の推計で、ここでいう費用とは、医療保険などによる給付のほか、公費負担、患者負担によって支払われた医療費を合算したものとなります。そして、医科診療医療費、歯科診療医療費、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費等は含みますが、保険診療の対象とならない費用や、正常な妊娠・分娩、健康診断、予防接種など、傷病の治療以外の費用は含みません。