令和3年度の相続税の延納申請は1,095件、物納申請は63件

 国税庁の令和3年度相続税の物納・延納処理状況等によると、同年度に相続税を納期限等までに金銭で納付することが困難な場合等に年賦で納めることができる延納申請を行った件数は1,095件で、前年度より246件増加して2年振りに1千件を超えたことがわかりました。また、前年度以前の継続事案を含めた1,040件の延納処理態様をみると、783件を「許可」し、「取下げ等」は237件、「却下」が20件となっており、許可における処理金額は330億円となっています。

 一方、延納によっても金銭で納付することが困難な場合に、納税者の申請によりその納付を困難とする金額を限度に一定の相続財産による物納が認められています。3年度の物納の申請状況をみると、申請件数は63件と前年とほぼ同じで、5年連続して100件を下回っています。前年度以前の継続事案を含めた61件の処理状況では、61.9%に当たる39件を「許可」しており、その金額は46億円となっています。その他では、「取下げ等」が12件、財産が管理処分不適格との判断等による「却下」が10件でした。