雇用の改善から年間平均給与が3年ぶりに増加

 国税庁の「令和3年分・民間給与実態統計調査」によると、民間事業所に昨年1月から12月までの1年を通じて勤務した給与所得者数は、コロナ禍で落ち込んだ雇用が徐々に改善していることなどから前年より0.5%増加の5,270万人で過去最大となり、その給与総額も233兆6,141億円と前年と比べて2.8%増加しています。

 給与所得者1人当たりの平均給与は443万円で、前年より2.4%も大幅に増え、新型コロナ感染拡大前である平成30年の441万円を超え3年ぶりの増加に転じています。男女別では、男性545万円、女性302万円とそれぞれ増加するとともに女性の平均給与が初めて300万円台を超えました。

 平均給与の内訳をみると、平均給料・手当が377万円(男性460万円、女性262万円)、平均賞与が67万円(男性86万円、女性41万円)です。このうち平均賞与は、前年のマイナス8.1%からプラス3.1%に転じて2年ぶりの増加で、給料・手当に対する賞与の割合は17.7%となっています。

 また、平均給与を業種別にみると、最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の766万円で、次いで「金融業、保険業」の677万円、「情報通信業」の624万円の順。最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の260万円でした。対前年と比べた伸び率では、「宿泊業、飲食サービス業」が14.2%増加、「サービス業」が13.2%増加となっていて、新型コロナの影響を大きく受けていた2業種の平均賞与が高い伸びを示しています。