令和5年度改正に伴う税収の増減見込額は平年度ベースで99億円の減収

 週明けに開会される第211回通常国会で提出が予定されている令和5年度税制改正法案では、NISAの抜本的拡充や相続・贈与税等の見直し、消費税のインボイス制度導入に伴う負担軽減措置の導入のほか、法人税、自動車重量税や固定資産税の見直しなど国税・地方税の改正が盛り込まれています。一方、税制改正に伴う増減収見込額だが、昨年末に閣議決定された令和5年度税制改正大綱によると、平年度ベースで国税は約10億円、地方税が約89億円のそれぞれ減収を見込んでおり、合わせると平年度で99億円の減収となります。

 主なものを見ていくと、まず国税では「NISAの抜本的拡充・恒久化」により150億円、「研究開発税制の見直し」で130億円などの減収となる一方、増収となるのは「資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築」による相続・贈与税関係で70億円、など。

 地方税をみると、国税の税制改正に伴う「個人住民税」で50億円、固定資産税関係では「中小企業等の生産性向上や賃上げの促進に資する償却資産の導入に係る特例措置の創設」の15億円をはじめ合計35億円などが減収。増収項目としては、国税の税制改正に伴う「法人事業税」の3億円となっています。

 なお、国税のダイレクト納付の利便性向上により、令和5年度に帰属予定だった法人税額20億円及び消費税額(30億円)が、納付時期のずれにより令和6年度税収の帰属となります。