令和5年度税制改正法案国会へ

 令和5年度税制改正法案である国税関係の「所得税法等の一部を改正する法律案」と地方税関係の「地方税法等の一部を改正する法律案」が、それぞれ2月3日と2月7日に閣議決定後、国会に提出されました。

 このうち、所得税法等の一部を改正する法律案では、NISAの抜本的拡充・恒久化が盛り込まれ制度がさらに利用しやすくなります。また、資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築に向け、相続時精算課税制度について、現行の暦年課税の基礎控除とは別に課税価格から基礎控除110万円を控除できる措置が設けられる一方、暦年課税において相続前贈与の加算期間を3年から7年に延長し、延長された4年間に受けた贈与のうち総額100万円までは相続財産に加算しない見直しが行われます。

 今年10月からスタートするインボイス制度を円滑に実施するため、免税事業者がインボイス発行事業者になった場合の納税額を売上税額の2割とする激変緩和措置(3年間)、一定規模以下の事業者の行う1万円未満の課税仕入れについて、帳簿のみで仕入税額控除を可能とする事務負担軽減措置(6年間)のほか、少額の返還インボイスについて交付義務についても手当てが行われます。

 電子帳簿等保存制度では、電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存をできなかったことに相当の理由がある事業者等に対する新たな猶予措置や、検索機能の確保の要件の緩和措置なども手当されます。

 なお、両法案はともに年度末である3月末までには成立する見通しです。