令和6年度の国税・地方税関係の税制改正法が成立
 令和6年度税制改正となる法律「所得税法等の一部を改正する法律」及び「地方税法等の一部を改正する法律」が、3月28日の参議院本会議でともに賛成多数で可決・成立しました。施行日は特段の定めがあるものを除き4月1日。

 今回の税制改正では、賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和する観点から、令和6年分の所得税・令和6年度分の個人住民税について、納税者及び配偶者を含めた扶養親族1人につき、所得税3万円・個人住民税1万円を控除する定額減税が実施されます。住宅ローン控除について、急激な住宅価格の上昇等の状況を踏まえ、子育て世帯及び若者夫婦世帯における借入限度額について、子育て支援の観点から上乗せ措置が行われます。

 企業の賃上げを促すための「賃上げ税制」については、人材投資や働きやすい職場づくりへのインセンティブを付与するため、教育訓練費を増やす企業への上乗せ措置の要件を緩和するとともに、子育てとの両立支援や女性活躍支援に積極的な企業への上乗せ措置が創設されました。また、新たに中堅企業枠(従来の大企業のうち従業員数が2,000人以下の企業)を新設し、地域の良質な雇用を支える中堅企業にも賃上げしやすい環境を整備するため3%・4%の賃上げ要件を設定したほか、赤字の中小企業にも賃上げインセンティブとなるよう繰越控除措置が創設されました。

 企業の交際費課税では、会議費相当とされる1人5,000円以下の飲食費を交際費等の範囲から除外して全額損金算入を認める措置について、飲食費の金額基準を会議費の実態等を踏まえて10,000円以下まで引き上げられました。

 地方税の外形標準課税の対象法人に関して、これまでの基準(資本金1億円超)を維持した上で、令和7年4月1日以後に開始する事業年度から当分の間、前事業年度に外形標準課税の対象であった法人で、その事業年度に資本金1億円以下で資本金と資本剰余金の合計額が10億円を超えるものについては、外形標準課税の対象となります。

 また、固定資産税(土地)の負担調整措置等について、負担水準の均衡化を促進するため、現行の負担調整措置等が3年延長されています。