令和5年度は154件に査察調査着手

 国税庁がまとめた令和5年度(令和5年4月〜令和6年3月)における査察の概要によると、令和に入り最も多い154件の査察調査に着手しています。
 査察調査の結果、検察庁への告発の可否を最終的に判断した処理件数は151件。このうち101件を検察庁に告発しており、告発率は66.9%となりました。
 査察事案に係る脱税総額(加算税含む)は119億8,000万円で、1件当たりでは7,900万円。このうち検察庁への告発分は89億3,100万円で、1件当たり8,800万円と以前として高額となっています。
 告発した事案を税目別にみますと、最も多かったのが法人税事案の59件で全体の約6割を占めており、以下、消費税事案27件、所得税事案14件、相続税事案1件でした。
 告発の多かった業種(同一の納税者が複数の税目で告発されている場合は1者としてカウントしています。)では、「不動産業」が18者で最も多く、次いで「建設業」の16者で、9年連続でこの両業種が上位2業種を占めています。このほか、「人材派遣」6者、「小売業」5者などでした。