中小企業向け賃上げ促進税制の繰越控除適用には超過額明細書の提出が必須〜中企庁

 中小企業庁が9月に更新・公表した、中小企業向け賃上げ促進税制の「ご利用ガイドブック」及び「よくあるご質問Q&A集」では、賃上げを実施した年度に税額控除をしきれなかった場合に5年間繰り越せる「繰越控除措置」の適用にあたって必要な添付書類等を明示しています。
 黒字が十分でないなどの中小企業者の賃上げを促進するため、中小企業向けの同税制では、要件を満たす賃上げを実施した年度に税額控除額が上限を超えた場合、控除しきれなかった金額を翌年度以降5年間繰越しを認める繰越控除措置が令和6年度改正で新設されました。
 同税制の適用にあたっては税務申告より前に特段の手続きを行う必要はありませんが、法人の場合には法人税の申告の際に、税額控除の対象となる控除対象雇用者給与等支給増加額、控除を受ける金額、その金額の計算に関する明細を記載した書類及び適用額明細書を添付します。加えて、繰越控除措置を適用する場合は、「繰越税額控除限度超過額の明細書」と「繰越控除を受ける金額の計算に関する明細書」を添付して提出する必要があります。
 このうち、「繰越税額控除限度超過額の明細書」は未控除額が発生した事業年度以後の各事業年度の確定申告書に提出しますが、提出しなかった場合には、未控除額は繰り越されず繰越控除措置が適用できませんので必ず添付提出するよう必要があります。