中小企業経営強化税制のデジタル化設備が廃止に
 昨年末に閣議決定した令和7年度税制改正大綱では、経営力向上を図る中小企業の設備投資を強く後押しする「中小企業経営強化税制」について、売上高100億円超を目指す中小企業に係る拡充措置を創設し令和8年度末まで適用期限が2年間延長されますが、適用対象となる設備類型のうちデジタル化設備(C類型)が今年度末で廃止されます。
 同税制は、青色申告書を提出する中小企業者等が、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき、一定の設備を新規取得等して指定事業の用に供した場合、即時償却又は取得価額の10%(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用できるものです。
 一定の設備とは、上記A〜C類型と経営資源集約化設備(D類型)の4類型。このうち、テレワークなど業務のデジタル化を促進するための遠隔操作・可視化・自動制御化に資するデジタル化設備(C類型)が、来年度改正により今年3月31日の適用期限をもって対象外となる予定です。
 また、同税制の適用にあたっては、設備投資を行う前に、設備メーカー等から生産性向上要件に関する証明書を取得するとともに、経営力向上計画を策定して経済産業局等の認定を受けなければならず、設備投資前の経営判断が必要となります。
 この経営判断となる指標要件について来年度改正では、生産性向上設備(A類型)は「生産性(単位時間当たり生産量、歩留まり率、投入コスト削減率のいずれか)が旧モデル比平均1%以上向上する設備」、収益力強化設備(B類型)は「投資利益率が年平均7%以上の投資計画に係る設備」へと見直されます。